グッデーオルゲタ!
パプアニューギニア在住のじゃいあんです🇵🇬
実は食べ物でもなんでもシェア意識が強いパプアニューギニア。
僕は学校に勤務していて同僚の先生たちからよく餌付けしてもらっているのですが、最近は生徒にも養われるようになってきました。という報告です笑
僕のデスクで大きなパイナップル切ってくれたけど、うん果汁だらけですね。
さて本題です。
パプアに初めて足を踏み入れた時、平和慣れした我々日本人の多くは恐れ慄きます。
なんとパプアは地面がこんなです。(閲覧注意)
え!パプアニューギニア!?
大洋州の国ってどこもほのぼのしてるんじゃないの?と思ったあなた。
ごめんなさい。確かにパプアは周辺国と比べると穏やかじゃないニュースを聞く時もありますが、地面が血痕だらけってことはないです笑
実はこれ、ブアイと呼ばれるパプアの一大嗜好品。
ブアイは現地語で植物の一種を指し、その種子の成分に酩酊、興奮作用があります。
この赤いのは噛み終わったブアイを地面に吐き捨てた痕です。
(どっちにしても気持ちの良いもんではないですが)
愛されるブアイ文化
アジアでは広く愛用されているらしい?ブアイ。
ビンロウ、ビートルナッツなど土地によって色んな名前があります。
パプアニューギニアではブアイ大好きな人が多く、現地人成人のほとんどがやっている印象です。年齢制限もないので子どもでもやります。したがって地域差あるかもしれませんが大人の口は大概赤いし、道路も赤いです。
三種の神器、ブアイセット
パプアでブアイを嗜む際にはブアイ・ダカ・カンバンという3つがセットです
・ブアイ
緑色のコロッとした繊維質な皮の中に白い種子があり、この部分を噛む
・ダカ
真ん中の緑の長いやつです。マスタードの果実でかじるとピリピリ刺激的。
・カンバン
英語ではライム、日本語では、そう、石灰です。みんな自分のお気に入りのケースに入れて持ち歩いています。
PNG流ブアイの噛み方
1:ブアイの皮を剥ぎ、種子を取り出します。PNGの人がこの種子を見つめる目は本当に愛らしいものを見る目です。
2:まずはこの種子のみを口に含み、しばらく噛み砕きます。※種子自体の色は白〜薄茶
3:ダカをカンバンにちょちょいとディップし、そのまま口へ。ダカごとかじって口の中で混ぜます。
4:ここで咀嚼物全体が赤くなり、酩酊感も強くなる。らしい。
5:しばらく噛みつつ、唾液やブアイの残りかすは道に吐き捨てます。体に悪いので飲みません。これがうまく吐けるようになると一端のPNGマンギーです。
※道で不意打ち振り向きざまに吐き捨てる人がいてかかりそうになります。気をつけましょう。
なんで赤くなるの?
ブアイを噛んだ時に得られる高揚感の原因は種子に含まれるアレコリンというアルカロイドの一種。
しかし赤くなる原因はネットで調べてもはっきりとわかりませんでした、、、
ちなみにブアイと一緒に使う石灰は別名水酸化カルシウム。そしてその水溶液は強アルカリ性。
(それを口に入れるのどうなんだという疑問を一旦飲み込んで、)
ブアイの変色はこの石灰による液性の変化が原因と一般的には言われます。
てことでちょっとお試しで変色の様子を観察します。
細かく切って潰したブアイの種子を水と混ぜたものが前、石灰を入れて5分放置したものが後です。
石灰で真っ赤っかです。
さらに、赤く呈色したものにお酢(酸性)を加えてみると
赤色が弱まりました(特にブアイ片の色)。
加えて、石鹸水(アルカリ性)とお酢(酸性)で同様に試行してみたところそちらでも(程度は弱いですが)呈色・退色がみられ、うわさ通り液性と色の関連性が伺えました。おそらくブアイの成分中にアルカリ性で赤色を呈色する物質があるのでしょう。
ブアイは社会問題?
ブアイには依存性と発癌性(主に咽頭癌)があると報告されており、その吐き捨てた後は町の景観や衛生にも悪影響ということで、国や公共機関などはその使用を抑制する方向に働きかけています。
こんな標識もパプアならではですね。
しかし、パプアの人たちがコミュニケーションツールの一つとして、誇りある文化の一つとして、大切にしていることも事実。好きな人は永遠噛んどるし。
バスの運ちゃんも学校の先生も人によっては勤務中もしっかりスパークしてるし(こちらでブアイなどでテンションあがっちゃってる状態をスパークとよく表現します。勤務中はやめてくれ。)、僕も執拗に誘われます笑
体に悪いが、ライフスタイルに深く根付いたブアイ文化。
表面的に良し悪しは決めがたいですが、今後社会的な評価は変動していくことが予想されます。
にしてもここまで独特な文化は興味深い、、今後のブアイ文化の行く末やいかに。
じゃいあん
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