現地の人々とともに過ごして知った「ラオスの食事」

クールなフード

サバイディ(こんにちは)!サンティスックです。
これは私のニックネームで、ラオス語で”Peace and happiness”という意味です。

ラオス人は皆、ファーストネームとファミリーネームのほかにニックネームを持っており、職場の名簿にも記載されているほど社会に浸透しています。
私は現在、JICA海外協力隊として、ラオス農家の組織運営と商品開発に携わっています。

日本人に必ず聞かれるのが「ラオスってどこ?」です(笑)
ラオスはタイの東に隣接する東南アジアの内陸国です。

ラオスはタイの東に隣接する東南アジアの内陸国です。
文化や言語はタイと非常に似ていて、ラオス人はタイのTV番組を見て育つほどです。

JICA海外協力隊の派遣先第1号であり、2025年には派遣開始60周年と国交樹立70周年という長い歴史があります。

そこで今回ご紹介したいのはラオスの食事についてです!

ラオスの食事について

代表的なものはタマフンです。
メイン食材は熟していないパパイヤです。唐辛子、ニンニク、塩、砂糖、ライム、ナムパー(ドロリとした魚醤)をすり鉢で叩き潰してパパイヤと和えます。タイのソムタムによく似ています。
熱帯気候のためかスパイシーな料理が多く、多くのラオス人は「辛くなければ美味しくない!」というほどです。

続いてネムルアンです。
細かく刻んだ野菜やひき肉を入れたラオス風オムレツです。

ジェオと呼ばれるタレをかけて食べます。これはタマフンのソースと似たような味わいです。ジェオは日本人にとっての梅干しやふりかけのようなソウルフードなので、食事の際は必ずと言っていいほどテーブルの中央に鎮座します。

ラオスは70近い民族が暮らす国と言われており、過半数はラオ族が占めています。
スパイシーな味わいは彼らの好みのようです。
山岳に暮らすカム族やモン族の村では唐辛子やニンニクは控えめで、もっとシンプルな日本人好みの味付けに感じました。

例えば地方では歓待料理としてカイトム(炊いた鶏)とそのスープで煮込んだ山菜が出されることが多いです。
この際には自家製酒も振舞われます。

ラオスは米文化であり、私は農家の家庭で、ワインのような甘い酒、アルコール50%以上(発火するほどです)の焼酎などをいただいたことがあります。
お酒の種類は民族や家庭によって様々だと、この農家たちは言っていました。
写真の壺の中には米のワインが入っています。彼らはもみ殻をかぶせて醗酵を調整するそうです。

私は見たことがありませんが、もみ殻でなく笹の葉を使う家庭もあると聞きました。私が飲んだ際はペットボトルに移し替えて提供されました。

ラオスをご存じの方にはおなじみのビアラオは自国の米を豊富に使用しており、国内シェアは90%以上と言われます。
飲み会をキンビア(ビールを食べる)と呼ぶほどです。
新年のお祭りでは散歩中のところを同僚に見つかり、そのままキンビアに連行されました(笑)

しかし、私の周りにはお酒が苦手なラオス人が数名いて、実は100%全員が「ビール大好き!」ではありません。
そういう人は気兼ねなく水やジュースで飲み会を楽しんでいます。
ビールは苦手だけどお酒は飲みたいラオス人はハイボールやチューハイなどの選択肢が多い日本がうらやましいと言っていました。

変わり種の料理

ここから少し変わり種の料理もご紹介します。

ルアッペットです。こちらはアヒルの血に各種調味料を混ぜたもので、スープとゼリーの中間の食感です。
こちらも伝統的な歓待料理ですが、ラオス人の中でも好き嫌いがあり、食べる機会は稀です。

バッタも食べます。多くの場合は油で揚げてあり、サクサク食感で酒のアテに最適です。
味付けはローリエやコショウのようなスパイスが合います。

他にもアリの卵カエルなど、季節ごとに旬の食事をします。
天然物は貴重なため、市場で販売すれば農家の臨時収入になります。

有名な料理としてラープがあります。
ラープは細かく切った肉や魚をハーブ類とともに炒めた料理の総称で、メイン食材にパー(魚の総称)を使う場合、ラープパーと呼びます。
他にラープクワイ(水牛のラープ)、ラープムー(豚のラープ)等があります。
とくに珍しい料理に生のラープパーがあります。
通常は加熱調理するところを非加熱のまま食べるのです。

ラオスは内陸国であり、使用される魚の多くはナマズ、川ウナギ、ティラピアですので寄生虫に感染する恐れがあります。
ラオスの学校では半年に1回虫下しを配布しているようです。

変わった部位では、豚の子宮牛の胃の中の未消化の草も食べました。

子宮は生米と一緒に袋に詰めて天日で発酵させてから炭火焼します。コリコリした食感と酸味が癖になります。
未消化の草は「牛のウンチだよ~」と紹介されて食べました。
牛の肉にかけて食べると酒が進みます。サンマのはらわたのような味です。

その他にも、トカゲ、ヘビ、ヤマアラシ、ネズミ、イタチ、イヌ、カタツムリも提供されました。

ラオス人は季節の動物、野菜、果物を巧みに摂取しています。
東洋医学の食養生の感覚に近いように思えます。
お昼休み以外にも頻繁に休憩してマンゴーを食べたり、木陰で仮眠するのは、過酷な環境に負けないように無意識に体を労わっているのでしょう。
日本ほど高度な医療を受けられないから、予防に努めているのかもしれません。

ラオス人と仕事をすると、ゆったりとした時間感覚にじれったさを感じていましたが、
そういった背景に思い至ることで、その悩みから解放されました。
サバイサバイ(無理せず気楽に)の精神が根付いているようです。

この解決に至れたのは、彼らと毎日食卓を囲み、酒を飲み交わしてきたからです。
日本では「同じ釜の飯を食った仲」と言いますが、現地の人とともに過ごし、彼らを理解することで人間関係は次のステップに進めるのかなと感じています。

私のラオスでの活動は残すところ7か月ですが、これからも相互理解の意識を忘れずに笑顔で働きたいと思います!
それでは、ソークディ!(お元気で!)


こちらの記事は2022年度4次隊(ラオス/コミュニティ開発)曽明航さんに寄稿いただきました。

この記事を書いた人
世界の協力隊から

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