ケララ州訪問からインドの経済・教育・思想を考える(今回ちょっとまじめなやつです)

D-ライフスタイル

ナマスカール!Hikariです。

ケララ特集も最終回。

今回は観光ネタではなく、ケララ州という普段住んでいるところとは違うところに行ったことで学んだこと、インドという国について私が感じたことを紹介したいと思います。

 

どうでもいいですが私が「Kelara🌴」と発音すると、チェンナイの同僚に「Canada🍁」に聞こえる、と2日いじられました。

だって日本人が苦手な「r」と「l」の「ラ」が続いてるんだもん(´;ω;`)

留学してた時はHikariはちゃんと使い分けられてるってオーストラリア人の先生には言ってもらえてたのにな。。

でもそれも仕方ない、チェンナイの公用語タミル語には「ラ行」がなんと5種類もあるんです!勉強し始めてかなり序盤で、こりゃ発音し分けるのムリやわと笑えてきて諦めましたww

インドは州が違えば国が違う、と言われるように文化や言語も違うので、バイリンガル(現地語と英語)トライリンガル、マルチリンガル(現地語、英語、他州の言語など)の人がざらにいます。

インド人が耳がいいことは認めざるを得ません!

 

ケララが発展した歴史的背景

さてケララ滞在を通して分かったことひとつ目。

土地の利。

ケララを観光中に行ったレストラン

アラビック料理屋さんでした。

こんな料理。

 

インドの料理とは違うのー?と聞くと全く違うそうです。

ここ以外にもアラビア系のレストランをたくさん見かけたのでそれらについて聞いてみると、ケララの人々はアラブの国との交流が深いそう!

アラブ諸国(UAE,オマーン、サウジアラビア、カタールなど)では多くのインド人が働いているのですが、その多くがケララ州出身で、またケララ州にも多くのアラブ人がビジネスのために滞在しているそうです。

確かに土地を見ると、

行きやすそう!!(インドの左端の赤で囲ってあるのがケララ州)

 

そう、実はケララ州の海沿い大きな都市は古くからアラブ諸国との交易が深かったのです。

 

飛行機などまだなく、船で他国へと移動していた大航海時代(14世紀~16世紀)、かの有名なバスコ・ダ・ガマのよってインドは発見されました。

その後ヨーロッパ諸国がアジアを目指してアフリカ大陸の喜望峰を越えてインド洋に入ったとき、一番アクセスしやすいアジアの土地としてケララは発展しました。

そしてそこを拠点にアラブ諸国や東南アジアへと人やモノの移動が盛んになったのです。

 

現在もインドを代表する経済都市

このような歴史から、ケララ州は他のインドの都市とは違った角度から発展し、現在は州都ティルヴァナンタプラムはインド初にして最大のIT特区も作られています。

インドのIT産業の中心はやはり首都デリーだったり、バンガロールというイメージが強いかと思いますが、このティルヴァナンタプラムのテクノパークには国内外から多くのIT企業が集積しているそうです。

詳しくはこちらを参照

インド新興都市、IT関連スタートアップ企業が急増 | 地域・分析レポート - 海外ビジネス情報
スタートアップ大国として名高いインド。ユニコーン企業(評価額10億ドル以上かつ未上場のスタートアップ)の数は米国、中国に続く世界3位だ。インド南部ケララ州内でも、雇用創出に向けて州政府主導でスタートアップ政策を導入している。

 

また、近年注目されているインドの宇宙開発の発祥の地もこのケララ州の州都ティルヴァナンタプラムです!

 

ケララの教育がCOOL

ケララ州のことをいろいろ聞くうちに、ケララは教育もインドナンバーワンなんだと聞きました。ちなみにそれを私に教えてくれたインド人たちはみんな他州の出身者。
これも意外だったので調べてみると、教育分野においては、州政府は学校建設、義務教育の無償化、女子教育の促進などをインドの中ではかなり早くから行なったそう。
その結果、同州の識字率はほぼ100%なのだそうです!
インド全体の平均識字率が74%、最低のビハール州では47%、日本とは違う途上国だということを今一度思い出せば100%は驚くべき数字です。
ケララ州はインドの中で「特別な州」と言われ、ケララの人々も「ケーララにはカースト制は存在しない」、「みんな平等である」とよく言っているそうです。

まだまだあるケララのCOOL

識字率に加え、先進国レベルの健康管理システムを備えていて、幼児死亡率もインド国内で最も低い値、平均寿命はインド全体の平均と比べて10年ほど長く、男女性ともに70代。殺人率もインド国内で最も低い州となっているのです。人口増加が利でもあり悩みの種であるインドで、国内初の家族計画政策を掲げ、人口増加率は最も低いことも目を見張る成果です。また、インド全土で問題となっている公衆衛生の取り組みも進んでるとされ、世界保健機関とユニセフから表彰されているなど、ケララのクールな点を挙げ始めたらキリがありません!
大自然に囲まれ、一見のどかな田舎の州かと思った自分が恥ずかしいほど、ケララはインドの最先端を行く州でした。

そして私は思った

私がこのケララ訪問を通して感じたのは、ケララ州がいかにクールか、ということだけでなく、人々がそれをリスペクトしていることです
先ほどの教育水準の高さを語ってくれたインド人は他州の出身で私と同じように出張でケララに来た人たちです。なのに遠く離れた文化も言葉も違うケララ州のことをドヤ顔で語ってくれました。
しつこいですが「州が変われば国が変わる」と言われるインド。
そんなに文化や言語、人間が違えば民族同士の対立や争いが起きてもおかしくないはずです。
もちろん歴史を振り返ればそういったことはありましたし、北部の国境付近は今も他国との関係で緊張しています。
しかし私がこれまでにかかわったインド人たちは、自分たちの文化に誇りをもち、私のような外国人にややしつこめにアピールしてくる一方で、他州の良さも認め、お互いを尊重し合っているように見えるのです。
私自身、自分が生活しているチェンナイ、タミルナドゥ州に愛着がわいてきつつあるところですが、今回ケララ州の出している成果を知り、リスペクトが高まるばかりです。
インドは本当に面白い国です。私はまだまだほんの数パーセントしかインドのことをまだ知らないんだと感じます。
そんな中ですが、ここで生きていくなかで見つけたCOOLなことをこれからもD-COOLを通じて発信出来たらな、と思います。
今回はちょっと真面目なお話でした。
写真も少なめですみません。
Bye✋

 

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