ネパールの教育・理科コンテスト

クールなイベント

ナマステ! ネパール東部のフィッカル在住のchandraです。

 

以前、首都カトマンズ近郊の学校を訪れた際、理科の先生から

理科室にある教材は全部過去の卒業生が作ったものなんだ

という話を聞きました。

教材には火山や細胞、電気回路のモデルなどがありました。



ネパールではこのような手作りの理科教材を利用する学校が多く、理科教材のコンテストを行う地域もあります。

 

今回は僕の住むフィッカルがあるスリョダヤ市で行われた理科教材のコンテストを紹介します!

 

コンテストの概要

期間

12月25日(水) ~ 28日(土)  各日 10~16時

 

場所

カンニャム校グラウンド

 

参加校

市内の公立校・私立校、合計27校

 

発表内容

・1年間の理科の授業で用いられたオリジナルの理科教材を使用する
・教員ではなく、授業を受けた生徒がそれらの教材を用いて授業内容を説明する。
・6~8年生の部、9・10年生の部を設ける
・各部門で物理、化学、生物、地学、extraについてそれぞれ1つ以上発表する
・発表時間は無制限

 

審査

・市内の学校、市役所職員から選ばれた審査員となる
・2部門、5科目についてそれぞれ10点満点で採点し、合計100点満点の得点をつける
・合計得点の上位から3位までを表彰、賞金贈呈(NRs.20,000、10,000、5,000)

 

ネパールでは週休1日制で、土曜日が唯一の休日ですが、休日も含めて行われました。

スリョダヤ市を含むイラム郡は紅茶の産地として有名ですが、今年の開催校であるカンニャム校は過去に国営工場が置かれていた地域にあり、観光地としても人気がある場所です。

規定としては6~8年生、9・10年生と部門を分けていましたが、実際には8年生までの学校もあり、また厳密に発表内容と学年を照合することもなく、各科目から2つ以上の発表が採点されました。

 

発表の様子

 

審査に携われなかったため、どの発表がExtraであったかはわかりませんでしたが、各学校の発表の様子を分野ごとに紹介します。


移動式のプラネタリウム

 

物理分野

 

 遠心力に関する実験(紙コップが落ちない)

 モーター式のエレベーター

化学分野

 酸・アルカリの実験
 水素の発生

生物分野

 腎臓の仕組み(モデル)

 細胞のモデル(小器官が水に浮いて動く)

地学分野

 

 惑星の公転モデル(モーターで動く)

 火山のモデル(炭酸による噴火)

結果

 

上位3校が表彰される予定でした。1位は1校でしたが、2位は2校が同点、3位は4校が同点となり、全体で7校が表彰されました。

 

僕の所属するフィッカル校は、見事1位となりました!

総評によると、多くの学校は過去の発表やインターネットの動画サイトからの模倣が多く、同じような発表が重なった中で、他で目にすることのない実験が多かった点が評価されたようです。

 

コンテストを終えて

 

今回、準備の段階から結果発表まで携わり、生徒の様子も先生の様子も見ることができました。

いくつかの学校の先生とも話す機会があったのですが、普段の授業で用いている教材を持ち寄るのではなく、このコンテストのために準備したようです。

また、今年1年の授業で、前回のコンテストで制作した教材を利用する機会はほとんどなかったようです。

 

さらに、獲得した賞金はすべて参加した生徒に分配することになりました!

このイベントの前には市内のサッカー大会があったのですが、その際も賞金は生徒に分配されました。

 

ちなみに、NRs.20,000の賞金を得ましたが、教員の給料が月にNRs.30,000くらいなので、日本に置き換えて考えると、20万円くらいに相当します。

ここから税金として25%が引かれ、残りを生徒に分配しました。

 

賞金の有無は別として、日本でも各学校の教材を持ち寄る研究会や公開授業があると、さらに活性化されるのではないかな、と感じました。

 

 

 

 

以上、ネパールの理科コンテストについて、chandraがお伝えしました!

 

この記事を書いた人
chandra

ネパールで理科教育の支援に奮闘中の30歳。特徴:丸顔。ネパール人と間違えられると少し喜ぶ。

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