エルサルバドルの柔道隊員が伝える「現地の人とスムーズに活動する心得やコツ」

D-スポーツ

みなさんこんにちは!Rigoです!

今回は、JICA海外協力隊柔道隊員としてエルサルバドルで活動する私が
「現地の人とスムーズに活動する心得やコツ」というテーマで、
日本と比べてどのような環境の違いがあるのか、また、どのように指導しているのか、執筆していきます!

「どのように活動していけばいいのか」

「何か活動のヒントが欲しい」

という方は参考になればいいなと思います。

それでは早速いきましょう!

まず、心得について結論からいうと、指導の本質はあまり変わらないということです。

そもそもなぜ柔道を行うのか?を最初に考えた時に、

試合に勝ちたい…

昇段したい…

運動したい…

仲間とのコミュニケーションを楽しみたい…などなど

一人一人柔道をする目的があり、それに向けてそれぞれ適切なアプローチがあることは日本も海外も同じだと思っています。
しかし、「違いはないから大変じゃない」とはなりません。

あくまで本質は変わらないですが、ここは海外。

政治、文化、伝統、宗教、言語など人々の背景にある事情が日本とは全く異なることをまずは理解しなければいけません。

ざっくりこの状況を例えると、ゴルフでカップインするためにはショットする位置やコースの状況、風や角度、距離を把握し、ショットの強さを決めて打つ。
この一連の流れが協力隊の活動そのものなのかなと思います。
ボールの置かれている位置によって把握すべきことはその都度変わりますし、それに適した分析をする必要があります。

僕が活動をスムーズにするために具体的に意識したことは以下になります。

活動をスムーズにするために意識したこと

1 現地の人との関わり方(文化の違いを理解する)

2「なぜ?」と問いかけること

3 なるべくゆっくり話さないこと(柔道特有かもしれません)

4 ちょっと意地悪な先生になること

それぞれについて、解説していきます。

現地の人との関わり方(文化の違いを理解する)

異国の地、異文化、これら人々が生活する背景を理解するためとにかく現地の人と会話をしました。
それによって現地の様々な状況について知ることができました。

例えば、トレーニングが15時から開始なのに全然人が来ない、、、

日本では時間がきっちりしていて遅刻をすることは稀です。
ですが、ここエルサルバドルでは毎日が交通渋滞で公共交通機関はバスとタクシーしかなく、さらにはどこかで事故が頻繁に起きている。
これは遅刻をした彼らの責任では全くありません。

それを知らなかった頃はモヤモヤしていましたが、今となってはもし遅れてしまってもできることはなんだろう?と柔軟性を持って考えられるようになりました。

活動へのアプローチの仕方→「なぜ?」と問いかける

練習での選手へのアプローチの仕方として、「なぜ?」と問いかけるようにしています。

というのも、現地の指導者の様子を見ていると、指導者だけがアクションを起こし、選手はただそれを受動的に聞いているだけである状況に違和感を感じました。
課題を与えられる機会が少なく、解決まで行うプロセスを行ってこなかったように思いました。

日本では常に考察、分析してどうしたらいいのかと考える習慣が定着しています。
教育方法にも多くの違いがあることが背景にあるのかもしれません。

また、技術指導を行う際、こちらから問題を投げかけ、共に問題解決に取り組みたくさん会話をする姿勢を大切にしました。
選手同士で考えることはチームづくりにもつながります!

将来、国の代表を志す彼らにとって有意義な時間を与えられるように心がけています。
結局は、やるのは選手自身なので選手自身が自ら考えられる習慣が身についてくれたらいいですよね!

なるべくゆっくり話さないこと

柔道という競技の特性上、その場での直接指導が一番効果的であることは確かです。

素早く的確に指示を出したり、その場で「なぜ?」と問いかけることで会話のペースを上げていく。
異なる言語では難しいことばかりですが、実際に現地ではそれが効果的です。

私も活動の最初の頃は全然語学ができておらず、後々選手に「あの時何言ってるか全然わからなかった」と言われて恥ずかしい思いをしましたが、「母国語じゃないし仕方ない」と切り替えてとにかく重要なフレーズだけでも絶対伝えられるようになるという思いでやっと話せるようになりました。

ジェスチャーも大事ですが、大事なことはしっかり言葉で伝えたほうが間違いなくいいです。

ちょっと意地悪な先生になる

担当している選手は日本でいう中高生くらいなので、割と日常生活で無邪気に関わることがあります。

普段の何気ない会話はお互いが寄り添う一つの方法だと考えていますが、一歩下がって先生である立場を忘れずに常に課題を与え続け彼らに負荷をかけ続けることで彼らは課題に取り組んでくれます。
その時もあえて少しだけ意地悪な感じでいうと喜んでくれ、お互いが話しやすい関係を構築することの重要性を感じました。

また日本と違うと感じたことは、先輩後輩の文化がないこと。
私は現地ではこの文化を強みだと捉えています。

中学1年生と高校3年生だとかなりの差があるように感じますよね。
しかし、ここでは同調圧力などなく年下が年上に対して意見をはっきりいうことができる。
年齢関係なく自己表現をすることは私も大切にしようと思います。

終わりに

国によって様々な異なる状況を把握して、それぞれの立ち位置から目標に向かって進む。
このプロセスを失わないことがスムーズに活動を続けるカギだと思います。

異文化理解、語学、関係構築どれも大事な要素なので、
皆さんの強みを活かしながら、どんなに時間がかかっても、
苦労してても少しづつ前進していると信じて焦らず活動してみてください!

 


こちらの記事は2022年度1次隊(エルサルバドル・柔道)の深井龍河さんに寄稿いただきました。

この記事を書いた人

JICA海外協力隊として世界各国で活動中の方に記事を寄稿していただいています。

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