こんにちは!
今回はインドにおける「柔道」について私が詳しくご紹介したいと思います!
なぜ急に柔道?と疑問に思う方も多いと思います。
実は私がインドで行なっている活動、それが柔道の普及なんです!!
こう見えてインドで柔道の先生をやっております🤓
そんな私の活動もご紹介しつつ、今回の記事を書かせていただこうと思います!
柔道ってなに?
皆さん日本人なら誰もが一度は聞いたことがあると思いますが、
簡単に柔道についてご説明いたします!
まず、柔道というのは現在から137年遡りまして1882(明治15)年に
「日本体育の父」と言われている嘉納治五郎師範により作られた武道です!
最近ではNHK大河ドラマ『いだてん〜東京オリムピック噺〜』で
俳優の役所広司さんが演じられたことで知られた方も多いかと思います!
どことなく似てますよね(笑)
この嘉納治五郎師範というのはとても素晴らしい功績を納めている方で、
柔道の創始者でありながら、東京高等師範学校(現在の筑波大学)の
校長を25年ほど務めたり、東洋初のIOC(国際オリンピック委員会)の委員になり
オリンピックを日本に初めて招致したのが嘉納治五郎であり、
それが後に開かれた1964年東京オリンピックなんですね!!
すごい功績を持ってますよね!!!
そんな教育にも、スポーツにも大きく日本に貢献した嘉納治五郎が
作り上げたのが柔道です!!
今では柔道は日本の国技になり、世界ではオリンピック種目にもなっています!
また2016年に開かれたリオデジャネイロオリンピックでは男子全7階級
全ての階級でメダルを獲得するという快挙を達成し、来年開かれる東京オリンピック
では更なるメダル獲得が期待されている日本のお家芸となっております🔥
さらには目や耳が不自由な方が行う視聴覚障害者柔道というのがあり、
現在ではパラリンピック種目にもなっています!
他にも全国の中学校で武道必修科目として柔道が採用されるなど
今では幅広い年齢層に支持されている伝統武道になっています!
さあ、ここまでザーッと日本の柔道について話をさせていただきましたが
ここからお話をするのはJUDOです。
柔道とJUDOの違いって?
はい、いきなり柔道とJUDOの違いって言われてもどう違うのかわかりませんよね。
簡潔にご説明すると、
「柔道」というのは武道、
「JUDO」というのはスポーツというのが私の認識です。
ではなぜ武道とスポーツで区別しなくてはならないのでしょうか。
日本で古くから現在までとても重要視されてきたのは武道における柔道です。
これは日本の伝統的な礼儀作法であったり、武道教育といったものが
しっかりと根底に根付いているのが柔道であるという考えなんです。
それではJUDOについてはどうでしょう。
昨今、海外の柔道選手を見ているとどうしても勝ちにこだわった柔道が
見受けられます。柔道は真剣勝負の世界なので勝ちに行くのは当然です。
しかし、中には誤った解釈をする選手も多く見られ、勝ちにこだわりすぎるあまり
柔道の最も大切な礼儀作法を怠る選手も増えてきています。
ではなぜこのようなJUDOになってしまうのか、それは海外における
日本の柔道の指導者が不足しているのが原因だと私は考えています。
日本は島国ということもあり日本の柔道家や指導者たちはあまり海外に目を向けず
日本国内に留まり、国内で活動をするのが一般的な日本柔道家の現状です。
この影響が日本の柔道を世界に広めていく上で大きな壁であり現状で、
その結果海外では指導者の不足に伴い独自のJUDOが生まれていったわけです。
インドにおける柔道とその実態に迫る!
さて、これまでの話を踏まえた上でさっそくインドにおける柔道を
紹介していきたいと思います!
クラブチームの練習風景
このクラブチームでは朝と夜で1日約3時間の練習を週に6日行います!
とても熱心に子供たちは練習を行います!
私自身もこのクラブチームで指導を始めて約3ヶ月が経とうとしていますが
私に「技を教えて欲しい!」「強くなりたい!」という声が止みません!
私は感激しました、こんなに柔道が大好きな子供が世界にはたくさんいるんだと。
インドの試合はここがすごい!
日本の柔道の試合というのは緊張感のある空気の中で行われ、
派手さを控えた真剣勝負の空間を作り出している印象があります。
しかし、インドはその逆なんです。
なんと試合の間で伝統的な民族ダンスが披露されたり、
様々なゲストを招待してそのゲストを表彰するというセレモニーが行われたります。
このように、試合ももちろん重要なのですがそれ以上に試合進行する中で、
エンターテインメント性に重きを置いているのです!
これには私も大変驚かされましたね(笑)
インドにおける柔道の試合というのは単に試合をするということだけでなく、
会場に足を運んでくれた人をもてなす、そんな運営をしているということです!
私も大会に足を運ぶ度におもてなしを受けています(笑)
このような試合進行をすることで柔道の知名度をより高め、
より柔道を楽しいものに作り替えているのです!
私もそのような努力に大きな何かを学ばせて頂いたと思っています。
そんなインドの柔道事情ですが、
全てが満足のいく状況かというとそうとは言い切れないんです。。
次にインドの柔道における課題についてご説明したいと思います。
インド柔道の3つの大きな課題
インドにおける大きな問題は3つあります。
環境
日本では、柔道は畳の上で練習を行います。
ところがインドでは畳ではなくレスリングなどで使用するマットで練習を行います。
さらに、床にマットを敷き詰めて並べているだけなので練習を行うと
すぐにずれてしまい、生徒が怪我をするリスクも高まります。
柔道着
日本の柔道家は必ず1人1着は自らの柔道着を持っています。
これは柔道着がなくては柔道ができないという考えや、自らの柔道着でなくては
試合に参加することができないという理由もあるでしょう。
ところがインドでは違います。
インドの子供たちは全員が全員自らの柔道着を持っているわけではありません。
練習や試合の際も柔道着を使い回しています。
なぜこのようなことが起こるのか、
それは貧困な家庭であったり、クラブチームがお金を持っていないという理由で
全員が柔道着を買うことができないというのが現状あるわけです。
しかし、このような状況にも関わらず子供たちは柔道着なしでも
何一つ文句を言わず、熱心に練習に取り組んでいます。
指導者の不足
この問題に関しては冒頭でも述べたとおり、日本の指導者が海外で少ないという
現状が引き起こしているのだと私は思います。
指導者が不足すると何が起こるのか、
それは子供たちの技術面での進歩ができない、試合で勝つことができないなど
その結果、世界で戦ったときに勝ち上がることができず、インドでの柔道の
知名度を上げることができないのです。
試合で勝つということは少なからず大切なことです。
海外の試合で勝つことで選手に自信がつき、さらに練習に身が入る。
また海外で勝つことでメディアが取り上げ母国で有名になり柔道の知名度も上がる。
このような要因から試合に勝つことは大切なんです。
ただ、勝ち負けだけにこだわりすぎるとそれはJUDOになります。
今のインドの柔道はJUDOに近いところがあります。
それは、エンターテインメント化していく試合運営の中で
礼儀作法であったり、相手をリスペクトする精神が欠けているように見られます。
このような状況ではこの先決して良い結果は望めないでしょう。
この状況をどう受け止めるかがこれからのインド柔道の課題であり、
私自身の課題でもあると思っています。
目指すべき「柔道」とは
このような課題の中、私自身も試行錯誤を重ね日々地道に活動を行っていますが
私に今できることは日本の伝統的な武道である柔道を普及していくことであり、
それが最前で最適な活動だと信じています。
その中でより柔道を好きになる子供が増えたら幸せだと思っています。
私は日本の柔道家たちがもっと世界に目を向け、
日本の伝統的な柔道を広めていくことが昨今の課題であり、
世界の「JUDO」を「柔道」に変える一番の近道であると考えています。
また柔道の「魅力」というのは柔道という一つのツールで言語の壁を越えて
世界中の人と繋がれることだと思います!
そして何より柔道というのは人を作る道であり、柔道を通して素晴らしい人間に
成長していくことが柔道の本質なのではないかと思います!
今回は柔道についてとても熱く語ってしまいましたが
この記事を読んで少しでも柔道に興味を持ってくれる人、
またインドの柔道にも目を向けてくれる人が増えたらそれが私の本望だと思います。
では今回はこの辺で、また来週✌️
コメント
Taka-san
初めまして、私は南インドのCoimbatoreにて駐在をしています東(ひがし)と言います。
このサイトを拝見させて頂き、インドにおける柔道の問題のひとつ、道着に関して質問です。
私の子供たち、私含め以前日本とアメリカにて柔道を行っていましたが、諸事情により今は誰も継続しておらず、日本に利用していない道着が何着かあります。
そこでお聞きしますが、これら道着を無償で提供させて頂きたいのですが如何でしょうか?
あいにく子供サイズではなく、中学/高校程度のサイズとなり、使用済みですので傷みもありますが練習には利用できると思います。もしよろしければ連絡お待ちしています。