インドでお肉から命について考える。

D-ライフスタイル

ワナッカム!
チェンナイのHikariです。
明けましておめでとうございます。

インドはあまり新年を盛大に祝うことはないようで、31日も1日も普通に出勤だった私は、特にワクワク感もなく2020年を迎えましたww

皆さま地球のどこにいても良い年にしてくださいね。

 

さて、一年の始まりにもしかしたら相応しくないのかもしれませんが、今回はインドでお肉について考えてみた、ひいては命について考えた!です。

 

最近よく考えるHikariです。

人間は考える葦であるとはよく言ったもので、なんの変化もない生活をしていると何も考えずに惰性で生きてしまいがちですが、異国という慣れないもの、不思議なものがたくさんある環境にいると、考えること、気づかされることがよくあります。

 

今回そのきっかけとなったのは「肉」です!

 

 

皆さんはお肉は好きですか?

何肉が好きですか?

どんな肉料理が好きですか?

毎日食べますか?

これらの質問をもしインド人にしたとしたら、約4割の人が怪訝な顔をします。

なぜならインド人の実に4割が「ベジタリアン」だからです。

 

インド人の約80%がヒンドゥー教を信仰しており、ヒンドゥー教では牛は神様です。

あるインド人は牛は自分の母親のように扱わなくてはいけないんだ、と言っていました。

また、インド人の約13%を占めるイスラム教徒は豚肉を食べてはいけないと厳しく決まっていますよね。

 

と、言うわけでインドではお肉というとどこへ行っても鶏、あるいはマトン(羊、ヤギの肉)しかなかなか見つけられません。

 

と、思い込んでいました。

私は長いこと、肉を食べない人が多いのは「宗教で決まっているから」だと安易に思っていたのです。

もちろん宗教によるものは大きいです。しかしその考え方までは気づけていませんでした。

 

 

インドに住み始めた当初、前述のように鶏肉しか、しかも毎日ではなく時々しか久しく口にできず、お肉が食べたくて悶えました。(これほど焼き肉に行きたいと心から思ったのは人生で初めてでした←)

 

鶏肉なら手に入る、と言いましたが、実はそのハードルも結構高いのです。

 

スーパーに精肉コーナーがあるのはとってもレア。

小さなスーパーには絶対ありませんし、大型ショッピングモールなどでもこれまでに一軒しか私は見たことがありません。そこでも売っているのは冷凍の加工肉やハムなどで、調理法を楽しめるような肉ではありません。

 

ではどこで買うのか。

それは個人の精肉店です。

 

こんな感じ。(インターネットより)

 

お分かりでしょうか。お肉屋の軒先には生きた鶏がかごに入れられています。

注文が入ると兄ちゃんが手ごろな鶏さんを選んでガッと...

お肉にして売ってくれるのです。

 

こういったお店が街の至る所にあるのですが、怖すぎて自分で買う勇気が出ません。

 

そんなある日、私が肉を欲していると知った同僚が、私に肉を買ってきてあげると言ってくれました。

それってあの道路沿いでかごに鶏が入ってるお店で買うの?と恐る恐る聞くと、

もちろん!じゃないと新鮮じゃないだろ?冷凍の肉なんかまずくて食べられないよ~とのこと。

やっぱり...( ;∀;)と思いながらも、自分が食べる肉なのだからいいとこどりではな、と思い、見ておかなくてはいけないような気がして同僚に頼んで一緒に連れて行ってもらいました。

 

なんと牛肉屋さん!(州にもよりますしレアですが、買うことは可能です。)

 

どんだけほしいんだ?と聞かれ、聞かれた一番少ない量の500gと答えると、吊るされたお肉から適当に切り取るおじさん。

 

カットするかも聞かれ、頼むと日本でいうカレー・シチュー用くらいの塊にダイナミックに切ってくれました。

絶対洗ってないよね?という皿の載った測りで500gを測って無事購入。ドキドキしました。

 

近所には鳥やヤギ、羊の肉を売る店も。

 

 

その時は幸いなのか生きた動物を殺して食肉とする現場には居合わせなかったものの、日本のスーパーで見るようなきれいに部位ごとで切り分けられたいわゆる「食品」ではなく、その時私は

あぁ「命」をいただいているんだな、と感じました。

日本で一人暮らしをしていた時は、お肉を買ってきたら小分けにしてすぐ冷凍庫に入れていた私ですが、その日は買ったお肉をなるべく新鮮なうちに食べるべきだと感じ、すぐに料理をしました。

野菜と一緒にシンプルに塩でグリルしただけ。

おいしくいただきました。

 

インド人がベジタリアンになる理由は、宗教的な理由もあり、カースト的な理由もあり、習慣の問題もあり、地理的なこともあり、金銭的な問題もありで、一言では言えません。

でも宗教で肉食を禁じているのは血を流すこと、つまりは殺生の禁止です。

肉を毎日たくさん食べる私たち日本人も、この思想は理解できる人が多いはずです。だからこそ私たちには「いただきます」と「ごちそうさま」の文化がしみ込んでいるんだし。

 

でもスーパーのパックされたお肉に慣れすぎてはいないかな?

 

もし、日本でもインドのような肉の買い方しかできなかったとしたら?

日本人のベジタリアン人口はもっと多いのかもしれないと思いました。

 

インド人は少し仲良くなると「あなたはベジ?ノンベジ?」と聞いてくることがあります。

若干この質問にも疲れてきて「ノンベジにきまってるよ、日本にはベジタリアンは本当に少ししかいないんだよ」と最近は答えている私。

 

そしてこの質問をしてくる人はだいたいがベジタリアンで、しかもなぜかどこか自慢げに、誇らしげに「私はベジタリアンよ!」と言ってきます。

 

長いことその理由が分からず、お肉のない人生なんて理解できない、食べればきっとみんな好きになるのにな~と思っていた私ですが、その日を境にベジタリアンを尊重する気持ちが出てきました。

 

先週も書いたように、

自分の文化に誇りを持ちつつも、他者の文化をリスペクトする

インド人のこういった姿勢の表れをまた見つけたような気がします。

そして私はノンベジタリアンだけど、命あるものを慈しみ、大切に思う心はずっと持ちあわせていようと思いました。

 

豊かさの裏で先進国に暮らす人々が忘れがちになってること、他にもあるような気がします。

見つけた小さな気づき、こういった土地に暮らしてみて分かったこと、大切にしたいと思います。

これを読んだ人にも少しでも届くといいな。

 

今日のオチは「ベジタリアン対応のケーキ」と日本の友達に送ったつもりが、「ベジータ対応のケーキ」になっていて、どんだけ強いケーキだよ!と突っ込まれた和みエピソードで締めくくりたいと思います。

またね!

 

 

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