日本人なら知っておきたい火山と港と戦跡のまち in パプア

D-クールな街

グッデーオルゲタ!
パプアニューギニア在住のじゃいあんです🇵🇬

 

突然ですがトケイソウと呼ばれる花をご存知でしょうか。

名前から草とばっかり思っていたので、ある日パプアで木の上に咲いているのを発見して驚きました。
そしてなんとその木がパッションフルーツの木だったんです。僕は初めて知りましたが有名なんでしょうか。

ちなみにパッションフルーツのパッションって南国の溢れる情熱!みたいな由来かと思いきやその原義のキリストの受難の方の意味らしいですね。由来は花の作りが十字架や茨の冠など、受難を象徴する形に見えるから。教会でのお祈りの帰り道、同僚の先生に教えてもらいました。さすがキリスト教国家パプアニューギニア。

 

さて今回はパプアの東ニューブリテン州、ラバウルというまちの紹介です。
皆さんはラバウルという名前を聞いたことがあるでしょうか、、、?

ラバウルとは

広がる海景と雄大な火山、そして色彩豊かな動植物と活気ある人たちが生きる港町兼パプア随一の観光スポットです!

 

さらには、日本人にとってパプアニューギニアの中で最も関係が深いと言える町。

 

「ジャワは天国、ビルマは地獄、死んでも帰れぬニューギニア」

太平洋戦争末期に日本兵の方々がこの言葉を口にしていたそうです。このニューギニアはもちろん現在のPNG。

 

実はラバウルには第2次世界大戦中に日本軍が占領し拠点を張っていました。位置を考えると、対オーストラリアの最前線です。かの有名な山本五十六さんも終戦間際はラバウルに滞在し、その後パプア国内で亡くなっています。また、ゲゲゲの鬼太郎の水木しげるさんも出兵の際ラバウルにいたことが知られています。

 

帰国後の水木さんの絵にはラバウルに住む民族の伝統衣装が登場したり、「ラバウル戦記」という本を書いていたりなど、水木さんが大きな影響を受けた地であることが伺えます。
そして現在のラバウルはPNG東ニューブリテン州において州都ココポに次ぐ大きさのまち(伝わらないと思いますが笑)。実は東ニューブリテン州の以前の首都はラバウルでした。1994年に付近の火山が大噴火したためココポへ遷都されて現在に至ります。
ちなみに僕も1994年生まれなのですが、これを伝えると、東ニューブリテンでは大人も子どもも「噴火の年だね」とコメントをくれます。きっとこれも現地の人にとっては鮮明な歴史なのだと思います。
このようにとても稀有な歴史をもつ都市、ラバウル。
今回はラバウルのいくつかのスポットを簡単に紹介します。

ラバウル見どころ

一般

ラバウルには州都の名残か大きな港やマーケットがあり、人々の活気ある生活に触れられます。
また、94年に噴火したタブルブル火山と、もちろん大洋州ならではのきれいな海も!

・ラバウル港

時にはクルーズ船が来航して大賑わい。
なんと昨年10月には日本の自衛隊が戦後初の来航でした。

 


・タブルブル火山

海のそばにある火山。近くで温泉が沸いているので、温水プールならぬ温水海。
登山もできます!

 

主要な戦跡

ラバウルにはWWⅡの爪痕が現在も各所に残っており、現在は一種の観光地として見に行くことができます。多くの場所は日本人として、一人の人間として感じるものがあるのではないでしょうか。

 

・山本バンカー

ラバウルの海軍司令部が置かれていた地下壕跡。山本五十六さんが作戦会議をしていた記録も見られます。空間の広さ、その環境に驚きと静粛な雰囲気を感じます。

 

 

・南太平洋戦没者の碑

ラバウル湾を見下ろす台地に作られた戦没者慰霊碑

 

・地下病院

当時は病院として使用されていた、迷路のような地下空間

 

 

・海底の零戦

これはココポ付近ですが、ホテルのシュノーケリングツアーなどで見れます。

 

 

静かに眠る戦跡

実はラバウル付近には観光地化されていない戦跡も多数。
地域の人と山歩きをすると人工物っぽいものがちらほら。
「この穴にケガ人を運んで治療していたんだ」「ここで料理や水浴びをしたんだ」と教えてくれます。本当かどうかはわかりませんが。現地コミュニティのみで受け継がれている情報です。

 

このように雄大な自然と人類の歴史が入り混じるラバウル。
今後少しずつ各スポットも紹介していきますね。
ゆったりできるリゾートホテルもあります。パプアに来る際はぜひ。

この記事を書いた人

パプアニューギニア在住。東ニューブリテン州ココポの学校で理科教員。愛読書は宇宙兄弟。暑いのは苦手です。

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