ナマステ。
インドはデリー在住のアミターブです。
暑い!毎日!暑い!
起きてから寝るまでずっと暑い!
でも乾燥してるから、冷蔵庫からキンキンに冷えたペットボトルをだして置いといても、結露の量が少なくて机の上がビショビショにならなくて済む!ちょっと濡れたのもすぐに乾く!ハッピーだね!
…という訳で最近はなかなか外を出歩けていないのですが、室内ならばエアコンも効いてて涼しかろう!ということで、「トイレ博物館」に行ってきました。
トイレ博物館(Sulabh International Museum of Toilets)の場所はこちら。
デリーメトロ、マゼンタラインで、Dashrathpuri駅まで行き、オートリキシャを拾いましょう。
このトイレ博物館は、スラブ インターナショナル ソーシャル サービス オーガナイゼーション という、インド最大のNPOが、1992年に設立して、運営しています。
SULABH INTERNATIONAL SOCIAL SERVICE ORGANISATION
入場はなんと無料!
敷地内では、たくさんのトイレがお出迎え。穴に落っこちない様に気を付けて歩きましょう。
スラブ インターナショナルが普及に努めてきた2ピット式トイレ。通称スラブ・シャウチャラヤ(ショウチャラヤはトイレの意)
排泄物は便器から流れて穴(ピット)の中に貯められます。片方のピットがいっぱいになると弁を切り替えてもう片方のピットに流れるようにします。
ひとつのピットがいっぱいになるまで2年ほどかかるので、ふたつ目のピットがいっぱいになるころには、ひとつ目のピットの排泄物は乾燥して固まり、堆肥として使えるのだとか。
(乾燥しているとはいえ、ピットの中身を掻き出すのは誰がするのか?、とか、ホントにそのまま堆肥として自分の畑に撒きたい人がいるだろうか?とか、いろいろ思うところはありますが。。。)
こじんまりとした博物館ですが、ひとつひとつの展示も面白く、じっくり楽しめました。
こちらはトイレ掃除のブラシで書かれたゾウさん。
3Dプリントでつくられた、ふんばってる人
木製のなんだかオシャレなトイレ。
スタッフの人が「このトイレは、蓋を閉めたら机として、勉強したり食事をとったりできるようにデザインされているんですよ」と誇らしげに語ってくれました。食事はとりたくないな…。
そんなトイレ博物館のトイレは、いったいどんなトイレなのか!それは、実際に訪問した人のみ知ることが出来ます。
運営母体のスラブ インターナショナルは、ビンデシュワル・パタク博士によって設立されました。
ある日、子供だったパタク博士の目の前で、一人の少年が牛に襲われました。周囲にいた人々は、慌てて少年を助け出そうとします。
ですが、その時。誰かが「そいつはアンタッチャブルだぞ!」と叫ぶと、その場の全員が少年を助けることをやめ、少年は見殺しにされてしまったそうです。
そんな経験もあり、不可触民を救うための活動を始めたパタク博士。
スラブ インターナショナルの設立当初は資金もなく、運営もままならない状態だったため、駅のホームで寝て、食事もとれず、自殺を考える程まで追い詰められたこともあったんだとか。
それでも、不可触民に素手でトイレの掃除をさせてきたインドの非人道的な習慣に終止符を打つべく、また特に女性を苦しめてきた野外排泄の慣習を変えるべく、トイレ普及の活動に力を入れてきました。
時の首相インディラ・ガンディーに書いた手紙を切っ掛けに、運営も軌道に乗っていったそうです。
現在のインドではどこでも当たり前に目にする有料公衆トイレの概念を広めたのもスラブインターナショナルです。
じつは、メトロの駅にも、スラブインターナショナルのトイレ。
すごいぞ、スラブ インターナショナル。すごいぞ、パタク博士。
最後に、パタク博士の言葉を引用します。
知識と行動が結びついてはじめて、大きな結果を得られる
帰り道、博物館の場所が遠くからでも分かるように揚げられているアドバルーンと、それを見つけて嬉しそうに空を見上げる子供たちが印象的でした。
トイレ博物館のウェブサイトはこちら。
それでは、また!
アミターブ
コメント