広大な面積をもつインドにおいて、「学校教育」は各州に任されています。
教育の仕方は学校によってさまざまで、授業の進め方なども教師に任されているところが大きいです。
人口が13億人を越えるインドでは子供の数が多く、1人の教師が受け持つ負担は大きいものです。
そんなインドには、「教師は一日何もしなくていい日」があります。
今日はインドで毎年開催される「教師の日」についてまとめてみました。
もしインドで先生と名の付く職業に就いた際にはぜひ参考にしてみてください。
そもそも「教師の日」って?
ユネスコが”World Teacher’s Day”として定めているのは10月5日ですが、国によってその日にちは異なります。
アフガニスタン、カメルーン、オーストラリア、ギリシャなど、約94 の国々にこの「教師の日」の文化が根付いています。
インドでは「教師の日(Teacher’s Day)」は毎年9月5日に祝われます。
どうして9月5日なのかというと、
この日がラダクリシュナン(Dr. Sarvepalli Radhakrishnan)さんという偉人のお誕生日だからです。
初代副大統領、第2代大統領を務めた人物です。
政治家ならびに著名な哲学者であり、教師の一人でもあった彼の功績を賞賛して、1962年から全インドで9月5日が「教師の日」と決められました。
そんな彼の逸話があります。
ある時彼のもとに「先生の誕生日をお祝いさせて下さい」と、生徒たちが集まってきました。
生徒たちに対しラダクリシュナンさんは、「それなら、この国で奮闘している教師たちを讃える日にしてほしい」と言ったそうです。
このことから、彼の誕生日である9月5日がインドの「教師の日」になったそうです。
教師の日って何するの?
教師はただ座っているだけ
冒頭でもお伝えした通り、「教師は一日何もしなくていい日」なので基本的に教師は何もしません。ただ「座っているだけ」でいいのです。
そしたら授業はどうなるの?!と誰もが思われると思います。
「教師の日」では上級生が教師の代わりに下級生に授業をします。
学校によって多少異なりますが、上級生は女子はサリーやクルタを、男子は私服(Yシャツとロングパンツ)を着て学校にやってきます。
いつもは制服(スクールユニフォーム)を着ている彼らも、この日は立派な先生です。
女子の中にはばっちりメイクをしてくる子もいます。
教師は彼らに授業の段取りを伝え、あとは自分の代わりに授業をする生徒を見守るもよし、他の教師と談笑するもよし、教師は一日何もしなくてよいのです。
教師は生徒たちからプレゼントがもらえる
「教師の日」では、生徒たちが”Happy Teacher’s Day!”と言いながらプレゼントを持って教師の元にやってきます。
主なプレゼントは「チョコレート」「ペン」などのようです。
また大きなホールケーキを持ってやってきて、教師の口につめこむ(素手で)こともあるようです。
まとめ
今回はインドの「教師の日」について紹介しました。
決して楽な仕事ではない教師たちにとって、このような日があるとモチベーションが上がり、普段の苦労も少しは報われそうですよね。
急に「あなたは今日一日仕事をしなくていいですよ」と言われるのはむしろ少し困ってしまうような気もするのですが、生徒が一日先生になって教師に感謝を伝える「教師の日」が日本にも設けられたら面白いかもしれませんね。
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