こんにちは、ペルー在住のYASUKOです。
今日はペルーの国旗、州旗のご紹介します。
なぜ旗の紹介をしようと思ったかと言いますと、日本在住時には家に国旗を飾ることなど全くなかった、というか持ってすらいなかった私なのですが。現在私の住むペルーのモケグア州は創建記念日に沸き、町中旗だらけになっています。
こちらペルーでは皆飾ります。持ってます。胸元に旗のバッチつけてます。そしてカワイイし何を特徴としているのか良くわかるように出来ていて、、、気になってしまいました。
ペルーの国旗、何と種類があります。基本的にペルーの旗は「旗+紋章」のセットになっていて、紋章だけでも使用されます。
まず1つ目がこちら(↓)、シンプルです。紋章ないじゃんと思われましたね、そうです。これは民間用、以後ご紹介する州旗についてもそうなのですが民間が掲げていい旗には紋章が含まれていません。なので皆がお家に飾る旗はこんな感じでシンプルです。この赤と白は1825年のペルー建国時、英雄サンマルティン将軍が見たフラミンゴが由来だと言われています。白は平和と名誉、赤は勇気と愛国心を表しています。
2つ目がこちら(↓)、紋章入りました〜。この紋章の中にはペルーの動物“ビクーニャ”、国花である“キナの木”、そして国土から多く取れる鉱山資源がデザインされています。バックには月桂樹とヤシのリース、上にはオークの枝の冠が描かれていて、これは勝利と栄光を象徴しています。そしてこの国旗を掲げていいのは公共政府機関のみとなっています。こちらの国旗1950年から使用されています。
それ以前はどんな国旗だったかというと、3つ目のこちら(↓)。現在は国家機関のみ使用できる国章となっています。ペルー国内の資料を見ると紋章が刻まれていることがあるのですが、柄によってどの機関が出どころなのかわかるようになっているわけです。
ペルーの独立記念日(7月29日)には町がこの国旗で溢れかえります。わかりますか?街灯まで赤白です。
参照*https://andina.pe/agencia/noticia-peru-independence-day-celebrations-continue-with-military-parade-676664.aspx
続きまして、州旗をご紹介!南部地域から行きます。(私が南部に住んでいるから!)
(意味:おしゃべりな神様?)
2015年から使用されているこの紋章は、上部にペルーで5番目に高い山脈(6,392m)のアウサハト・スノウィ(Ausangate Snowy)、左下には鉱山作業者を描き豊富な鉱物資源を表しています。右下には太古より宗教儀式に使用されたと言われるセイユート(Sayhuite)です。富と繁栄を表す太陽、栄光の象徴の月桂樹の枝で飾られています。
参照*https://www.simbolospatrios.org.pe/2018/04/departamento-de-apurimac.html
(意味:さあやってください!(?肯定的な命令だそうです))
スペイン占領時代の名残が色濃く残る町並みのアレキパ、紋章はスペインのカルロス1世の征服時代に作られましたものです。なので紋章上部には彼の名前が入っています。中央にはこの地のシンボルであるミスティ火山、周りには田園風景、2頭のライオンは勇気と戦士の精神を表します。青色は美しさと忠誠心、周りの8つの花は純粋さと貴族を表しています。貴族のヘルメットは閉ざされていて当時の貴族達の永続的繁栄を表しています。1541年、この地域が飛躍的に成長したことにより、カルロス1世の位が上がりました。その際に作られた紋章という背景があります。貴族に対した隠喩がとても強い紋章ですね、、、
参照*https://www.lifeder.com/escudo-de-arequipa/
(意味:核たる秘境)
民芸品がポップで可愛いこの地域の紋章は、2009年から独自に使用され、現在ではイベントや公的機関でも使用されています。中心の建物はプカラというインカ時代に侵略者からこの地を守るためにあった軍事施設です。上部の子羊は聖ヨハネを表しており、この地を守った英雄と忍耐の精神が表されています。個人的にはこの紋章羊で可愛いと思っていたのですが、まさか聖ヨハネだったとは!
参考*https://www.simbolospatrios.org.pe/2018/04/departamento-de-ayacucho.html
(意味:世界のおへそ)
マチュピチュで有名なクスコ、インカ時代を彷彿とさせる町並みにしっくりとあう紋章です。この紋章は1986年から使用されおり、古代インカ時代の太陽暦をデザインに用いています。インカ時代太陽は神そのもの、とても大切なモチーフだったと思われます。旗は1987年から使われていて、しっかりとした由来は分かっていないものの、インカ時代の軍隊が戦いの象徴として用いていたものではないかと言われています。ただ、現在LGBTの旗に似ていることから他案を模索中とのことです、、、インカ時代からのものなので別にいいのでは?と思ってしまいますが。
参考*https://www.simbolospatrios.org.pe/2018/04/departamento-de-cusco.html
ナスカで有名なイカは、気候がブドウの生産に適しておりワインの生産も盛んです。紋章にはナスカの地上絵とブドウ、海が描かれています。全体を見渡している方はイエス・キリストです。カトリック宗教が根付いているのを感じます。初め見た時、キリストのコアラ耳みたいなのが気になって仕方無かったのですがこれは翼でした。笑
(意味:神々の母)
名前の由来が唯一スペイン語です。それ以前のケチュア語では“蛇の領域”と呼ばれていました。ここ紋章はこの地に起こった3つの時代の分岐点を表しています。1つ目(下部)はインカユンパンキによる先住民族の征服、2つ目(上部左)は鎧を着て馬に乗った征服者が神によって導かれた場面。3つ目(上部右)はゴム生産の原料となるシリンガの木を表し、本格的な開拓が始まる共和国時代を象徴しています。もともとアマゾンだったこの地が切り開かれていく様子を表した紋章です。広大なアマゾンだったこの地のベースが見えてきます。
参照*https://www.lifeder.com/escudo-de-puno/
(意味:豊かな大地)
創建1541年のモケグア州。旗は1970年代から使用されています、青は太平洋、緑は田舎の丘に広がるブドウ畑、赤はモケグア創建の11月を表すと言われています。ワリ文化の遺跡が頂上に残るセロ・バウル(山)とブドウの葉、コンドル、豊富な鉱山資源とイロ地域の漁業を表しています。「永遠の春の街」と言われることからカラフルな色合いになったと言われています。
参照*https://www.lifeder.com/bandera-moquegua/
世界一標高の高いチチカカ湖(3,812m)があるプーノ。白は純粋と威厳、アンデス地域の美しさ。青は空、信頼、プレインカ時代の伝統衣装を表します。紋章にはチチカカ湖と3つの町にある3つの城が描かれています。上部の王冠はスペインのもので、忠誠心と名誉を意味し、鎧の手に掲げられたリボンには「あなたの血統でない人とのみ戦う」と書かれています。スペイン占領時代の名残を深く感じる紋章です。
1855年英雄都市として創建したタクナ州、チリとの戦争の際、約50年占領されその後1929年8月28日にペルーに返還された歴史があります。紋章内部の赤色は強さ、勇気、勝利、そして勇敢さを示し、銀色(白っぽいところです)は、純粋さ、完全性、平和、雄弁さを象徴しています。タクナのシンボル動物“ライオン”はチリ占領後の囚われの身からの自由を表すと言われています(よく見ると前足に鎖がついています)。地域の果実“ザクロ”が描き豊かさを表しています。“勇敢な街タクナ”と刻まれています。砂漠に囲まれた街を彷彿とさせる黄色い旗です。タクナ州は免税措置が取られており少し雰囲気が異なります、なぜだろうと思っていたのですがペルーにもチリにもルーツがあるためなのですね、、奥深いです。
参照*https://www.lifeder.com/bandera-de-tacna-historia-y-significado/
いかがでしたでしょうか?ペルー南部地域の州旗紹介終了です。
最初はちょっとした好奇心から調べ始めた私でしたが、調べれば調べるほど地域ごとの歴史的背景が見えてきてハマってしまいました。日本に住んでいると“植民地”ということについてあまり考えることは無かったのですが、ペルーの旗を調べていると侵略者に対して圧倒的忠誠心を表す旗もあれば、抵抗や忍耐を表すものなどもあり、建国記念日を盛大に祝う気持ちわかったな。という感想です。
市民の思いや歴史を象徴する旗、日本の旗由来も調べてみようかなと思った今日この頃でした。
長らくマニアックな旗情報にお付き合いいただきありがとうございました。それではまた(ペルーにはまだ中部と北部があります笑)。
写真参照:andina, Y tu que planes?, peru-retail, mpi.gob.pe, deaventura.pe
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